日本人間性心理学会 第37回大会


ワークショップ01


「感じ方」を変えるSAT療法

講師:宗像恒次

従来の心理療法はどちらかといえば、左脳思考に基づき「考え方」を変えて、感情や行動を変えるというものでした。
しかし日本人を含め東アジア人の約80%は不安遺伝子(西洋人は約40%)をもち、情緒安定物質セロトニンの不足から、「もしこうなったらどうしよう」と、常に先々の不安に対し左脳思考で対処しがちです。
が、不安な中で左脳思考させると、思い込みや妄想を持ちやすいので、かえってストレスが蓄積され、その解決のためにさらに左脳思考する結果、感情認知困難度や自己解離度を強めることになりがちです。
他方、SAT療法は、考え方を先に変えるのではなく、「感じ方」を先に変える心理療法です。
ストレスに伴う感情痛としての身体違和感を光イメージ刺激、顔表象刺激、リズム刺激、皮膚刺激などを用いて、情緒安定物質セロトニン分泌を高め身体良好感にかえることで、ストレスに対する「感じ方」を前向きに変え、ストレスをしなやかに乗り越えるレジリエンス(復元力)を高めて、問題の自己解決行動を促す技術を提供します。 
特徴として、ストレスに伴う身体違和感をもちいて問題の解決を促すので、
①クライアントは必ずしも問題(秘密)を言わなくて済むこと、
②精神サイン、行動サインのみならず、身体サイン、霊性サインで示される問題の全人的な解決をも促せること、
③構造化された(Structured)方法(質問法・傾聴法・回答法・イメージ法など)
を使って、ひらめき、連想、直感(Association)という右脳活動による知覚や判断力を促し、自分で自分の問題解決の答えを見出すことを促す技術(Technique)です。


講師紹介

<経歴>

1948年生まれ、保健学博士(東京大学医学系研究科)、ハーバード大学医学部客員研究員、国立精神・神経センター精神保健研究所研究室長、筑波大学大学院教授フロンティア医科学専攻、筑波大学大学院教授ヒューマン・ケア科学専攻長、世界保健機関(WHO)薬物依存局顧問・エイズ世界対策局顧問、詳しくはウキペディア「日本の心理学者」

<受賞>

Outstanding Intellectuals of the 21st Century Award, England、2010、GREAT MINDS OF THE 21ST CENTURY AWARD, NORTH CAROLINA, USA、2010、MARQUIS Who’s Who in the World、USA、2010・2011・2012・2013・2014・2015

<現在>

筑波大学名誉教授、SAT療法開発者、筑波大学発ベンチャーSDS SAT研究所長、SAT療法センター長,ヘルスカウンセリング学会会長、日本ソマティック心理学協会顧問

<著書>

SAT療法(金子書房)、感情を変える技術(筑波大学発SDS出版部)、燃えつき症候群(金剛出版)、医療・健康心理学(福村出版)、ストレス解消学(小学館ライブラリー)、最新行動科学からみた健康と病気(メヂカルフレンド社)、運命愛は取り戻せる―50歳からの夫婦心理学(講談社)、自分のDNA気質を知れば人生が科学的に変わる(講談社+α新書)、がんのSAT療法(春秋社)など


定員40名

テキストとして宗像恒次著「感情を変える技術」を使用するため、テキスト代として税込み1,000円を必要とする。
(テキストは当日、会場にて)